コンタクトレンズの処方

はじめに

コンタクトレンズは、直接角膜(眼球)にのせるので、高度管理医療機器に指定されています。高度管理医療機器とは、副作用・機能障害を生じた場合の人体や生命に重大な影響を与える恐れがあるものに分類されます。ペースメーカーや人工関節などと同じ分類です。 使い捨てレンズが主流になり、かつインターネットの普及に伴い、診察を受けずにインターネットで購入する方が増加しております。眼の定期検査も、本来3ヶ月に一度受診が義務付けられておりますが遂行されておりません。某量販店提携(隣接)の眼科では、混雑緩和のためか、コンタクトレンズが眼球にのった状態(フィッティング)を医師が診ないこともあるようです。眼は感覚器の中でも一番重要な臓器です。ご自身の眼を守るために、信頼のおける眼科でコンタクトレンズに関する相談、診察をお勧めします。


医販分業

当院では、コンタクトレンズについて医販分業しております。コンタクトレンズの処方箋(指示書)を発行いたしますので、近隣のコンタクトレンズ販売店またはインターネットなどで購入してください。特に、使い捨てレンズは、1箱1000円以上価格が違う場合もあるようですので、リーズナブルな価格のところをお探しください。


年齢制限

当院では、低年齢時のコンタクトレンズの危険性などを考慮し、当院が初めての患者さんで16歳未満のコンタクトレンズ処方は承っておりません。なお、既に当院で処方をされている方は承ります。


コンタクトレンズ検査の流れ

問診

眼の症状以外にも、今まで使用していたコンタクトレンズの種類、メーカー、製品、規格、使用歴・頻度・時間、処方を希望するレンズなどをお聞きします

眼圧

眼に空気をあて、眼球の固さを測定します。21mmhg以下が数値的には正常ですが、22mmhg以上ある場合に経過観察が必要な場合があります。

レフケラトメーター

他覚的な屈折力(近視、遠視、乱視の度合)と角膜の曲率半径(曲がり具合)を測定します。曲率半径は、コンタクトレンズのカーブを選定する基準になります。

角膜形状解析(TOPO)

角膜の形状を解析します。ハードコンタクトレンズで角膜が変形していないか、円錐角膜や不正乱視などがないか確認します。

* ハードコンタクト装用者

視力

他覚的な屈折力を参考に、自覚的な視力を測定します。測定する視力は、裸眼視力、遠方視力、近方視力、メガネ視力などです。コンタクトレンズの度数を合わせる基準にします。

角膜内皮細胞

角膜の最内側にある細胞です。コンタクトレンズを装用することで酸素不足になり、細胞が死滅、減少します。1㎟に1000個以下になると視力に影響し、最悪の場合は角膜移植が必要になる場合があります。

* オプション

前眼部・結膜

角膜や結膜に異常がないか、瞼の裏にコンタクトレンズの影響でアレルギー症状が出ていないか診ます。眼の状態が悪い場合は、コンタクトレンズの処方はせず、治療後にコンタクトレンズを処方します。

眼底

視神経乳頭陥凹(緑内障有無の目安)の有無、眼底出血など病気がないか診察します。

涙液

ドライアイの検査です。乾燥感や充血、傷、疲れ目などの原因になります。

* オプション

ここまでの、検査・診察で眼に異常がなければ、コンタクトレンズを合わせていきます。

コンタクトレンズの選定

眼の状態、使用状況や環境(デスクワーク、運転)などを勘案し、コンタクトレンズの種類や規格(カーブ、度数)を選定し、トライアルレンズを装用します。

フィッティング

装用したトライアルレンズで視力測定を行い、追加矯正など微調整を行ったあと、医師によりフィッティング確認をします。

コンタクトレンズ処方

フィッティングが問題なければ、処方箋(指示書)を発行しますので、購入先は患者さんご自身で選択してください。


角膜(黒目)の曲率半径とコンタクトレンズのベースカーブ

洋服や靴にもサイズがあるように、コンタクトレンズにもベースカーブやサイズがあります。角膜曲率半径は、欧米人は小さく日本人は大きい傾向にあります。現在、使い捨てレンズが主流となっていますが、製造メーカーの多くが外資系であり、欧米人向けのベースカーブの小さいレンズの流通が多くなっています。

【角膜の曲率半径】

角膜の曲率半径は、縦のカーブと横のカーブの中間の値を基準にコンタクトレンズのカーブを選定します。

 例)縦 7.60mm 横 7.80mm 中間値 7.70mm

ソフトコンタクトレンズのカーブを選定するときは、「中間値+0.8 〜 1.0」となりますので、上記の場合の理屈上理想なコンタクトレンズのベースカーブは「 8.50 〜 8.70 」になります。

中間値が「8.10mm」ある人は、コンタクトレンズのベースカーブは「8.90 〜 9.10」になります。サークルレンズのディファインは、ベースカーブ8.50mmしかありません。目に入れることはできますが・・・。 自分目のカーブを知り、「自分の目にあったコンタクトレンズ」を装用しているか確認してください。 特定製品を勧める、PBブランドを勧める場合などは、注意が必要です。

装用感もよく、瞬きをしたときレンズに適度な動きがある

装用感直後は装用感はよいが、吸盤効果で張り付き、充血、乾燥感などがある。

瞬きをしたときレンズ周辺がまぶたの裏に接触し、異物感があり、レンズの動きが大きく視力が不安定になります。

当院のドクターがドクターズ・ファイルに紹介されました