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緑内障(りょくないしょう)

緑内障とは、(眼圧が高くなることで)視神経が侵され、視野が欠けたり狭くなる病気です。しかし、最近では眼圧が正常でも、「その人にとって高い眼圧」であれば、同様に視野が侵され緑内障になる「正常(低眼圧)緑内障」の方が増加しております。緑内障で欠けた(狭くなった)視野は取り戻すことができません。また、初期の緑内障は、ほとんどの場合自覚症状がなく気づきません(自覚で気づくのは、中期程度進行した場合が多い)。

よって、早期発見、早期治療が非常に重要になります。兄弟、両親、祖父母など血縁者に緑内障の方がいる場合には、自覚症状がなくても検査を受けたほうがよいでしょう。


意外と多い緑内障

日本緑内障学会の調査では、平成12年に岐阜県多治見市で疫学調査をした結果、40歳以上の17人に1人が緑内障に罹患していることがわかりました(通称[多治見スタディ])。40歳を過ぎたら、1年に1回は眼科を受診し緑内障の精密検査を受けたほうがよいでしょう。


緑内障の検査

眼圧検査

眼に空気をあてて眼球の固さを計測します。以前は、正常値は10mmHg ~ 21mmHg と決められてましたが、現在では平均値という意味合いが強く、眼圧が高い=緑内障(眼圧が低い=緑内障ではない)とは限りません。また、機械で計測する眼圧検査は誤差がでやすいので、正確な眼圧を測定する場合は眼に直接コンタクトレンズのような検査器をのせて計測します。

眼底検査

視神経が侵され、視野が欠けると緑内障となるので、視神経乳頭の形を検査します。緑内障の場合、乳頭の陥凹が拡大していることがあります。会社の健診や人間ドックで指摘されるのは、この部分です。

自動視野検査 [ オクトパス自動視野計311 ] (静的視野)視野検査

当院では通常の視野検査に加え、ブルーオンイエロー(黄色いスクリーンに青い光を出す)視野検査を導入しております。これは、「青色を感じる細胞から障害を受けることが多い」緑内障の特性を利用した視野検査で、従来の視野検査に比べ、より早期に緑内障を発見できると言われています。

オクトパス自動視野計311

オクトパス自動視野計311

ゴールドマン視野計(動的視野)

自動視野計はコンピュータが自動で測定しますが、ゴールドマン視野計は検査員が患者さんの反応をみながら調整することができます。また、当院では眼科領域の国家資格である視能訓練士(ORT)が検査をしております。他施設では、職員に教育をして検査させているところもあるようですが、当院では全症例とも視能訓練士が実施しております。

ゴールドマン視野計

ゴールドマン視野計

その他の緑内障に関係する検査

最終的な緑内障の診断をするのに重要なのが視野検査です。眼圧検査や眼底検査で異常が見つかっても、視野に異常がない場合には緑内障の点眼などの投薬治療はせず、経過観察をします。

視野検査は、装置の中の指標(光源)を注視し、その周辺で点滅した光が見えたかどうか患者さんの自覚で判定します。検査の時間は、10分~20分程度です。当院では、主に中心の視野や感度を測定する『コンピューターによる 自動視野検査』と、視野全体を検査する『ゴールドマン視野』を併用して、診断及び治療に活用しております。

視力検査

緑内障が進行してくると視力が低下する場合があります。裸眼(メガネなど掛けていない状態)視力と矯正視力(検眼レンズを用いて最高視力<概ね1.2>)を測定します。

視力検査

隅角検査

緑内障の眼球内の水分=房水(ぼうすい)の流れが悪くなって眼圧が上昇する場合があります。その通り道が狭くなったり塞がれていないかを特殊なレンズを用いて検査をします。もし、狭くなったり塞がれている場合には、流れをよくするためにレーザー治療で別の通り道を作ることがあります。

TOPCON 3D OCT-2000眼科3次元眼底像撮影装置

TAKAGI SPAC
走査式前房深度計

OCT(光干渉断層計)

人間ドックや健診などで使用する眼底カメラでは表面上の観察をしています。それに比べOCTは眼底を三次元で解析し、網膜の断面や視神経線維層の厚みを測定・視神経乳頭の状態を詳細に知ることができます。当院でもOCTを導入して、緑内障の早期診断や症状進行の把握・経過観察をより的確にできるようになりました。

TOPCON 3D OCT-2000眼科3次元眼底像撮影装置

TOPCON 3D OCT-2000
眼科3次元眼底像撮影装置

視神経乳頭

緑内障に関係する視神経乳頭。OCTでは、視神経乳頭陥凹の程度と視神経繊維層の厚みを測定します。

視神経線維層が薄い箇所は、視野が欠損する可能性があります。 緑(または赤)の帯の箇所が正常範囲で、実線がご本人のデータです。帯から出ていても、即異常というわけではありません。


緑内障の種類

緑内障を広義で分類すると【原発】と【続発】とに分類されます。続発は、眼のケガや他の眼の病気、眼以外の体の病気が原因で起こるもので「外傷性」「ステロイド性」「糖尿病性」などがあります。他にも、発達緑内障、先天緑内障などもありますが、緑内障の多くを占める【原発緑内障】にも大きく分けて2つの種類があります。

開放隅角緑内障

房水の流れ口である隅角が目詰まりをして、房水の流れが悪くなり眼圧が上昇する緑内障です。また、眼圧が異常値まで上昇しないタイプを正常(低)眼圧緑内障といいます。このタイプは、自覚症状がでにくい場合がほとんどです。

閉塞隅角緑内障

開放隅角の場合は、元々は隅角は広く目詰まりを起こしただけです。閉塞の場合は、隅角が狭い状態となっております。また、隅角が加齢変化などで完全に塞がってしまうと房水の流れが急激に悪くなり、眼圧が急上昇します。これを、急性緑内障発作といい、発作を起こすと正常眼圧が10~21mmHgですが40や50mmHg以上となります。 急激に上昇した時には自覚症状があり、頭痛や吐き気、めまい、眼の痛みなどがあります。放置しておくと最悪失明する場合もあります。直ちに眼科を受診して、眼圧を下げる点滴治療やレーザー治療などの処置が必要です。


緑内障の治療

緑内障は、いったん発症したら治すことができない病気です。緑内障の治療の目的は、「治す」ではなく「進行させない」「進行を遅くする」です。緑内障の治療は、「点眼治療」「レーザー治療」「手術」に分別されます。

点眼治療

高くなった眼圧を下げるために点眼治療をします。点眼開始前の眼圧より10~30%の範囲で可能な限り下げることが目標です。点眼によって下がった眼圧を保つことが重要になります。眼圧のコントロールが上手くできれば1種類の点眼で経過観察しますが、コントロールが悪い場合や視野欠損が進行する場合には、作用が異なる点眼を複数種類使用する場合もあります。

レーザー治療

点眼や内服だけでは眼圧下降が十分でない場合、レーザー治療を行うこともあります。レーザー治療は点眼麻酔を使用し外来で痛みなく行うことができ、終了後も日常生活に制限はありません。 レーザー治療には主に2種類あります。

  1. レーザー虹彩切開術
    虹彩にレーザーで孔を開けて、房水の流れる道をつくる治療です。 多くの閉塞隅角緑内障に効果があります。
  2. 選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)
    目詰まりをおこした線維柱帯の色素細胞にレーザーを照射し、房水の排出を促進する治療です。一部の開放隅角緑内障に効果があります。

ルミナス社製セレクトデュエット

ルミナス社製セレクトデュエット

当院のレーザー治療は色素細胞のみに照射可能なので、従来のレーザーに比べて周辺の正常組織へのダメージがほとんどありません。 そのため線維柱帯が再度目詰まりをおこしたとしても、繰り返し照射することが可能です。


当施設での治療計画

緑内障の治療は一生続きます。いかに進行させないがキーポイントですが、進行したかどうかは各検査データの経時変化をみないと判定できません。当施設では、データ貯蓄のため概ね1ヶ月毎に通院していただき経過を観察しております。

当院のドクターがドクターズ・ファイルに紹介されました