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弱視(じゃくし)

視力と両眼視、育っていますか?

  • お子さんの視力はものを見ることで発達していきます。
  • 目から受けた刺激を、脳がきちんと受け止め処理することが、視力の発達に必要なのです。
  • 視力の発達期に、目からの情報が脳にうまく伝えられていないと、発達しきれないことがあるのです。
    これを弱視といいます。

弱視の原因

  • 強い屈折異常(遠視、近視、乱視)
  • 斜視(視線のずれ)や眼振(目の揺れ)
  • 不同視
  • そのほか、目の病気

これらのことが、ものを見るのを邪魔して、視力の発達を抑えてしまいます。


弱視を検査します

視力の検査

裸眼の視力と、屈折異常を矯正した視力を測ります。環やイラストを使ったものや、縞模様を使ったものなどがあります。お子さんの年齢や様子に合わせて対応します。

絵ひとつ視標

絵ひとつ視標
視力検査になれていない、幼児などに使用します.
(ちょうちょ、とり、いぬ、さかな)

字ひとつ視標

字ひとつ視標
視力検査になれていない、幼児などに使用します.
(ランドルト環)

森実ドットカード

森実ドットカード
ランドルト環などで検査できない乳幼児などが対象です。うさぎの目を指してもらい、指させた目の大きさでおおまかな視力を測定できます。

テラーアキュイティカードII

テラーアキュイティカードII
乳幼児が無地の面より縞模様を好んで見る傾向がある特性を利用した他覚的視力検査カード。
対象者:乳幼児、障害などで意思表示が難しい人

近距離単独視標(ランドルト環)

近距離単独視標(ランドルト環)
近くの距離での視力を確認するのに用います。遠視のお子さんや、調整障害の方に使うことがあります。

視力検査装置 VC−60

視力検査装置 VC−60
液晶タイプの最新式視力検査装置です。従来通り、ランドルト環(字ひとつ)はもちろん、絵視標、ひらがななどの対応も可能です。

屈折の検査

遠視、近視、乱視の程度を測ります。器械をのぞいてもらうものや、目に光を当ててその反射から読み取るものなどがあります。
正確に調べるために、目薬を使用することがあります。

板付きレンズ/スキアスコープ

板付きレンズ/スキアスコープ
目に光をあて、その反射から屈折を読みとる検査です。
乳幼児や障害者にも使用できます。

グランドセイコー WR-5100K

グランドセイコー WR-5100K
両眼開放レフケラトメーター

TOMEY RT-7000

TOMEY RT-7000
オートレフケラトトポメーター

眼球運動、眼位の検査

目の動きがスムーズか確認します。左右の目の目線が合っているか、ずれている場合はその角度を測ります。

HESSチャート

HESSチャート

プリズムバー

プリズムバー

両眼視の検査

両目がきちんと使えているかを確認します。片方の目の情報だけしか頭に届いていないのではないか(抑制といいます)、両方の目に入った像が正しく対応しているか(網膜対応といいます)を調べます。器械を使ったものや、特殊な眼鏡を使うものなどがあります。

チトマスステレオテスト

チトマスステレオテスト
立体的にモノが見えているかを測定する検査(両眼視機能)。偏光レンズをかけて、視標が浮き上がって見えるか確認します。

ラングステレオテスト

ラングステレオテスト
砂嵐の図の中に、何の絵が隠れているか確認する立体視の検査です。

大型弱視鏡(シノプトフォア)

大型弱視鏡(シノプトフォア)
視線のずれの角度を測ったり、両眼でモノを見る機能(両眼視機能)の検査や訓練を行う機械です。

その他、目の病気が隠れていないかの検査

先天白内障、網膜有髄神経線維、瞳孔膜形成遺残、未熟児網膜症など


弱視を治療しよう

眼鏡をかける

屈折異常がある場合、それを矯正する眼鏡をかけます。毎日しっかり常用し、ピントの合った像の情報を脳に送ることで、発達を促します。

アイパッチ訓練

左右の目の視力が大きく違ったり、視線の合いにくい目がある場合に行います。良い方の目をわざと隠し、弱い方の目をたくさん使ってもらう狙いがあります。シールタイプのものや、布タイプのものがあります。

目薬をさす

左右の視力に違いがある場合、ピントを合いにくくする目薬を良い方の目に点眼します。また、近くにピントを合わせやすくする作用のある目薬を、弱い方の目に点眼することもあります。

【アトロピン】
ピントを合わせる力を弱める薬です。瞳孔を開く作用もありますので、まぶしくなります。点眼後2~3週間、効果は持続します。まれに発熱や、口の渇き、動悸の副作用があるので注意が必要です。
【ウブレチド】
瞳孔を小さくし、近くにピントを合わせやすくします。まれに充血することがあります。
近方作業

近くで細かいものを見ることで視力は発達します。ぬり絵や迷路、ブロックやビーズなど、手と目を使う作業をご自宅でしてもらいます。


いつまでかかる?ちゃんと治る?

視力の発達期

視力は生後3~6か月ぐらいで急激に発達し、その後8歳ぐらいまで穏やかに発達していきます。
この時期に弱視が判明し、治療が開始できると、抑えられていた発達がすみやかに追いつくと言われています。しかし、視力の発達が抑えられてしまった期間の長さや程度も、治療の進み方に影響します。
また、この時期の治療が不十分に終わってしまうと、不安定なままになってしまいますので、最後まできちんと管理が必要です。

発達期を過ぎたら治らない?

発達期を過ぎると、難しくはなりますが、10代後半~20代前半まで治療効果は見込めるのではないかと考えています。
当院では、10代後半の方の弱視治療を行い、視力が上がる例を複数経験しております。
弱視の発見が遅れてしまった、弱視の治療を中断してしまった、もう遅いかなと思われる前に、治療の意思がある方はご相談ください。


治療にご協力お願いします

弱視の治療は、定期的な通院とご自宅での訓練が欠かせません。
ご家族様のご理解とご協力が必要です。
子どもは眼鏡をかけたがりません。アイパッチはもっと嫌がります。
治療のためには、本人だけでなくご家族様にもどうぞ頑張っていただきたいのです。
視力や両眼視は将来、職業選択にもかかわることがあります。
(パイロット、警察官、消防官、競馬選手、旅客機客室乗務員など)
一生懸命頑張るお子さんの応援よろしくお願いします。


もしかして、うまく目が使えていないかも?

  • ものに近づいて見る。細目や横目、頭を傾けてものを見る。
  • 片目を隠すのをすごく嫌がる。または、片目つむりをよくする。
  • 目線が合わないときがある。目が揺れている。
  • ひどくまぶしがる。
  • 絵本を読んだり、折り紙など手元の遊びに飽きやすい。
  • 親兄弟に弱視や斜視の既往がある。

おや?と感じたら、早めに眼科医に相談をしましょう。


その他

多種の検査機器を用い、検査が難しい乳幼児や発達障害の方の検査検診も行っています。

グレーティングカード

グレーティングカード
テラーアキュイティーカードの簡易版です。


治療の具体例

1.初診時18歳 女性 遠視、不同視弱視

当院での初診時の矯正視力は右(1.5)左(0.4)。
他院にて中学1年生で6ヶ月程度弱視治療するも、視力向上せず終了となった既往があります。
右、左目ともに遠視、特に左は強い遠視がみられ、不同視弱視として治療を開始しました。

  1. 調節麻痺剤を用いて屈折検査、それをもとにコンタクトの処方。
  2. 点眼を使って不完全遮閉訓練の開始
    年齢的、環境的にアイパッチ(完全遮閉訓練)は難しいので、 弱視眼にウブレチド、健眼にアトロピンを点眼を指示される。
    右目のピントを合いにくくし、弱視眼の左目を優位に使ってもらう狙いです。
  3. 月に一度の経過観察
    視力測定で治療の経過観察と、コンタクトの合併症や使用薬剤の副作用がないか、定期的に診察します。
    訓練開始4ヶ月後には左(1.0)を確認しました。
2.初診時14歳 女性 遠視 不同視弱視

当院での初診時の矯正視力は右(0.3)左(2.0)。
右目に強い遠視があり、不同視弱視として、受験を控えた忙しい時期でしたが、負担にならないよう相談しながら治療開始しました。

  1. 調節麻痺剤を用いて屈折検査、弱視眼にウブレチド点眼を指示される。
    瞳孔を小さくし、遠視が軽減する作用を期待して、少しでも右目を使う環境をつくる狙いです。
  2. コンタクトの処方と、不完全遮閉訓練の開始
    受験終了後は弱視眼のウブレチド点眼に加え、健眼にアトロピンの点眼を指示される。
    左目のピントを合いにくくし、弱視眼の右目を優位に使ってもらう狙いです。
  3. 月に一度の経過観察
    視力測定で治療の経過観察と、コンタクトの合併症や使用薬剤の副作用がないか、定期的に診察します。
    訓練開始18ヶ月後には右(1.0)を確認しました。

弱視・斜視矯正用メガネの助成制度

小児の弱視および斜視の治療用として用いる矯正用具(メガネ・コンタクトレンズ)の作成費用が、国および健康保険組合から一部助成されます。

助成対象病名
  1. 斜視または弱視で、医師が治療用としてメガネが必要と認めた場合
助成対象者
  1. 9歳未満
  2. 5歳未満は、前回の作成から1年以上経過
  3. 5歳以上は、前回の作成から2年以上経過
申請に必要な書類
  1. 弱視等治療用眼鏡等作成指示書(当院発行の眼鏡処方箋/専用用紙)
  2. 治療用として作成した眼鏡の領収書
  3. 療養費支給申請書

詳細は、加入している「健康保険組合」にご確認ください。

弱視等治療用眼鏡等作成指示書(当院発行の眼鏡処方箋/専用用紙)

弱視等治療用眼鏡等作成指示書


視能訓練士(ORT)の受診方法

現在(2016年3月当時)当院には、常勤・非常勤を含め5名の視能訓練士が在籍しております。週7日の診療日のうち、ほぼ毎日対応できる体制をとっております。1人の患者さんへの対応は、通常の検査よりも長くなりますので、完全予約制でお願いしております。
3歳(4歳)児検診、就学前検診、学校での眼科検診で「弱視・斜視」を指摘された場合はもちろん、ご両親いずれかが斜視や弱視がある、親御さんから見て目の位置が気になるございましたら、お電話で予約のうえ受診ください。
その際は、「視能訓練士(しのうくれんし)」の予約を指定していただければスムーズです。

予約の注意点
  1. 視能訓練士の予約は、「弱視・斜視」のみとなっております。近視の治療で通院している患者さんには対応しておりませんのでご注意ください。ただし、目の位置が気になるなどございましたら、ご相談ください。
  2. 視能訓練士の予約は、30分に1名です。事前に枠を準備しておりますので、用事などの都合で受診できない場合は、可能な限り前日までに変更またはキャンセルのお電話をください。なお、急な体調不良などで受診できない場合は当日でも構いませんのでお電話いただけると助かります。特段の理由がなく、無断キャンセルが続いた場合は予約を承れない場合がありますのでご注意ください。
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