結膜炎(ケツマクエン)

数十年くらい前の話ですが、その当時、眼科の呼び名をRed eye clinic(レッドアイクリニック)と呼ばれていた時がありました。
目が赤くなって眼科に来られる方が多かったため、そのように呼ばれていたのでしょう。その当時は、衛生状態が今ほど良くなかったため、細菌やウイルスなどの微生物に感染して結膜炎になる方が多くおられました。
しかし、今日では、眼科の呼び名は180度変わりWhite eye clinic(フォワイトアイクリニック)と呼ばれるようになり、ドライアイや眼精疲労などで眼科に来られる方がその数を上回りつつあります。

結膜炎の種類

流行性角結膜炎(リュウコウセイカクケツマクエン)はやり目

アデノウイルス(風邪の原因ウイルスの一種)の感染によって起こる結膜炎です。感染力が大変強く、結膜炎にかかった人の目を触った手で他の人の目を触ればほぼ100%感染しますし、その他タオルなどを介しても感染します。
結膜だけでなくしばしば角膜(黒目)にも炎症が広がり、角膜上皮(角膜の一番表層の細胞層)が傷ついたり、淡い濁りができたりすることがあります。特に、小さい子供や赤ちゃんの場合には、急激に炎症が悪化しやすいので、注意が必要です。

咽頭結膜熱(イントウセイケツマクエン)プール熱

流行性角結膜炎と同じアデノウイルスによって起こりますが、ウイルスの型が少し違います。症状は流行性結膜炎ととても似ていますが、発熱、咽頭炎(のどの腫れ)を伴います。
プールでうつることが多いのでこの名前がついています。

急性出血性結膜炎(キュウセイシュッケツセイケツマクエン)

エンテロウイルスというウイルスの感染により起こる結膜炎で、やはり流行性角結膜炎と似た症状ですが、それに加えて結膜下出血(白目のところに内出血すること)をおこすのが特徴です。

流行性角結膜炎(はやり目)は、二次感染します。

赤い目にメヤニがでて眼科医院を受診したら、受付の人から「そちらでお待ち下さい。まわりのものに触らないようにお願いいたします。」といわれ、視力も測ってもらえなければ診察室にも入れてもらえず、「まぁ、私ってそんなに汚いの?!」と思ってしまったなんて経験のある方はいませんか? それは、今回お話した流行性角結膜炎を想定して、他の患者さんにうつさないように、という配慮からなのです。これらの結膜炎は、ほとんどは1~2週間くらいできれいに治ります。

プールでは注意が必要

夏といえば、なんといっても水遊びや水泳。
ところがO-157の大騒動以来、プールの塩素系消毒薬(カルキ)の濃度をどこでも高くしてあり、注意が必要です。プールに入れる塩素系消毒薬の濃度は、国の基準で0.4~1.0ppmの範囲でなければならないことが決められています。
この濃度なら大腸菌はすぐに死滅するので、殺菌にはいいのですが、1.0ppmに近くなると、角膜への刺激が強くなり炎症を引き起こすことがあります。また身体を洗うための槽には、O-157を警戒するあまりに、100ppmという高濃度の消毒薬を入れている例もあり、これが眼に入ったりすると、炎症が起きてしまいます。プールで泳ぐときはゴーグルの使用を心がけ、プールから上がった後は防腐剤の入っていない涙液タイプの目薬で目を洗うようにするとよいでしょう。

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